■睡眠時無呼吸症候群(SAS)について
●睡眠時無呼吸症候群(SAS)ってどんな病気?
一晩(7時間)の睡眠中に30回以上の無呼吸、または1時間あたり5回以上の無呼吸が繰り返される病気のことです。 ちなみに、睡眠中に10秒以上の呼吸停止状態を無呼吸といいます。また、SASとは、Sleep Apnea Syndromeの略です。
正常な人でも熟睡中は起きているときに比べて軌道が狭くなります。 しかし次のような人はさらに気道が押しつぶされふさがりやすくなっています。
・肥満体の人 ・鼻の悪い人 ・あごの小さい人 ・扁桃腺肥大の人
特に日本人の場合、欧米のように肥満体だけの人が罹るのではなく、痩せていてもあごの小さい人などが罹る場合も多いといわれていますので、注意が必要です。
●病状について
病状としては、睡眠中に無呼吸、いびき、起床時に頭痛、昼間時には眠気、疲労感、抑うつ気分、集中力や規則力の低下があります。
特によく言われる『いびき』についてですが、、、、
気道が狭くなってきたときその気道を空気が無理やり通過しようとする際に生じる音です。 深い眠りに入ろうとするときに特に気道が狭くなり通れなくなってしまいます。すると息苦しくて目が覚め、その後ねむりについてもまた気道が狭くなり…を繰り返し熟睡できなくなってしまうのです。そして一般的にはそれをはっきり自覚していないのです。したがって脳も身体も一晩中熟睡することはなく、日中は睡魔との闘いに終始し、日常生活に影響を及ぼし、健康を損なうようになってしまうのです。
また、特有の『眠気』は事故とくに交通事故の引き金となりやすく、2003年の山陽新幹線でのオーバーランがよく知られています。困ったことに『眠気』は日頃の運動不足にもつながりやすく、肥満による気道の閉塞が原因の方の場合は、ますます病状が悪化するという悪循環に陥ります。
さらに、私たちの身体は呼吸をし酸素を体内に取り入れて声明を維持しています。 ところが睡眠中に呼吸が止まり血液中に取り込まれる酸素が低下すると全身の臓器や器官は酸素不足となり、さまざまな悪影響を及ぼし生命活動を危うくします。たとえば血圧が上がり、心不全をおこしたり、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血を引き起こしたりすることもあります。 生活習慣病と密接に関連しているといわれています。
1時間あたりの無呼吸が20回以上に達するような中等症〜重症になると寿命が短くなり、7〜8年後 には、20%〜30%の人が死亡すると報告されています。その死亡原因の多くは、心筋梗塞や脳梗塞です。
以上により早期に適切な治療をすることが大切です。

★↓睡眠時無呼吸症候群について、さらに詳しい説明↓★
●SASの定義
「一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこるか、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上の場合。」と定義されています。
主に上気道の閉塞に起因すると考えられている閉塞型、呼吸中枢の機能低下が関与しているとされる中枢型、及びそれらが混在する混合型に分けられます。肥満者、高齢者、顎が小さいもしくは下あごが下がっている、特に男性に多く現れます。
●SASの分類
・閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructibe Sleep Apnea(OSA)) →呼吸努力はあるが、10秒以上の上気道閉塞による呼吸停止があり、血中酸素飽和度の低下が著しくおこる。脳波の覚醒により無呼吸状態が終了する。
・中枢性睡眠時無呼吸(Central Sleep Apnea(CSA)) →呼吸努力がなく、10秒以上の上気道閉塞を伴わないに呼吸停止があり、血中酸素飽和度の低下が著しくおこる。脳波の覚醒により無呼吸状態が終了する。
■重症度分類
軽 症: 5(10)≦AHI<20 中等症: 20≦AHI<30 重 症: 30≦AHI
※AHI(Apnea Hypopnea Index) 無呼吸低呼吸指数: 睡眠1時間あたりの無呼吸(閉塞型、中枢型、混合型)及び低呼吸の出現回数で、睡眠時無呼吸症の程度を示す指標。
■Epworth Sleepiness Scale(ESS)診断基準と評価 ESSは、以下の8つの状況での眠気を、4段階評価する。
| 10点以下 |
正常 |
| 11〜12点 |
軽症 |
| 13〜15点 |
中程度 |
| 16点以上 |
重症 |
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状 況
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点 数
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1.座って読書している時
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0 1 2 3
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2. テレビをみている時
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0 1 2 3
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3. 公の場所で座って何もしない時
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0 1 2 3
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4. 1時間続けて車に乗せてもらっている時
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0 1 2 3
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5. 状況が許せば、午後横になって休息する時
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0 1 2 3
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6. 座って誰かと話をしている時
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0 1 2 3
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7. 昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っている時
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0 1 2 3
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8. 車中で、交通渋滞で2〜3分止まっている時
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0 1 2 3
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※点数の見方:0→決して眠くならない 、1→稀に(ときに)眠くなる、 2→1と3の中間 、3→眠くなることが多い
●SASの有病率
一般人口での睡眠時無呼吸症候群の有病率の推定は、2〜4%(少なくても1%強)の有病率があるといわれています。 日本における潜在患者数は少なくとも約200万人以上の人が睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるといわれています。 現在CPAP治療を行っている患者数は3万人程度といわれています。
●SASの臨床症状
・睡眠中の症状 大きないびき・呼吸停止・胎動や痙攣・夜間トイレに起きる事がある
・起床時の症状 頭痛がしたり、のどが渇く・身体のだるさ
・昼間の症状 過度の眠気、記憶力や集中力の低下
●SASの検査
簡易型在宅無呼吸検査装置でスクリーニング検査を行います。患者さんが自身のご自宅で測定が可能となります。 この場合、エアフロー/いびき/SpO2/心拍数/体位/胸郭運動について測定します。
また、終夜睡眠ポリソムノグラフ検査(PSG検査)を病院にて行う事ができます。 この場合、簡易検査項目に加え脳波や筋電図・眼球の動きなどを測定することで、睡眠の深さ(睡眠段階)、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細とあわせて、定量的に算出します。
〈保険点数〉 D237終夜睡眠ポリグラフィー 1.携帯用装置を使用した場合 720点 2.1以外の場合 3,300点
●閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructibe Sleep Apnea(OSA))の治療
・経鼻的持続陽圧呼吸装置(CPAP) 治療装置を使って就寝。治療効果も高く、副作用もないが、継続使用が必要。
・歯科装具(マウスピース) 矯正器具で舌根の落ち込みを防ぎ気道を確保する。
・耳鼻科的治療 上気道の狭窄・扁桃腺肥大・ポリープ・小顎症・鼻中隔湾曲症等は、外科的な修復や切除といった治療 が必要
特にこの中で一番メジャーな治療法は経鼻的持続陽圧呼吸装置(CPAP)を用いた方法です。
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